2011年5月3日(火)「しんぶん赤旗」

米、ビンラディン容疑者を殺害

大統領が発表


 【ワシントン=小林俊哉】オバマ米大統領は1日深夜、ホワイトハウスで緊急の声明を発表し、国際テロ組織アルカイダの指導者で、2001年9月11日の米同時多発テロ事件の首謀者ウサマ・ビンラディン容疑者を1日、パキスタン国内で殺害し、遺体を確保したと述べました。

 そのなかでオバマ氏は「ビンラディンには数千人の無実の米市民の命を奪った責任がある」と指摘。殺害は「米国のアルカイダ掃討の努力の重要な成果だ」と強調しました。

 オバマ氏はさらに、昨年8月にビンラディン容疑者の所在に関する情報を得て、先週、拘束作戦を指令したと説明。パキスタンの首都イスラマバードに近いアボッタバードで銃撃戦の末、殺害したと述べました。

 ブッシュ前政権は、9・11テロへの「報復」として、“アルカイダをかくまっている”ことを理由に、当時のタリバン政権下のアフガニスタンに侵攻。同政権を転覆したものの、アルカイダ勢力は隣国パキスタンに逃れ、その後の戦況は泥沼化していました。

法に基づき裁くべきだった

市田書記局長

 日本共産党の市田忠義書記局長は2日、2001年の米同時多発テロを首謀したとされるウサマ・ビンラディン容疑者が米軍により殺害されたと米政府が発表したことについて記者団から問われ、「事態の詳細は分からないが、テロは絶対に許されない犯罪行為だ。同時に、テロの根絶は軍事力による報復ではなく、国連憲章と国際法に基づいてテロ犯罪の容疑者を逮捕し、法に基づく裁きを受けさせるべきだというのがわが党の基本的な立場だ。ビンラディン容疑者についても、逮捕と法の裁きにかけさせるという対応をとるべきだったと思う」と述べました。





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