2011年5月3日(火)「しんぶん赤旗」

原発安全基準 首相「見直す」

「浜岡」「柏崎刈羽」再開

“安心見極め判断”


 菅直人首相は2日の参院予算委員会で、全国にある原発の地震・津波に対する安全基準について「従来の想定より大きい災害があったことを前提に見直さなければならない。地震が多発する時期に来ており、福島第1原発の検証結果を待たずに検討する必要がある」と述べ早急に見直しを進める考えを表明しました。日本共産党の大門実紀史議員への答弁。


大門議員に答弁

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(写真)質問する大門実紀史議員=2日、参院予算委

 大門氏は、全国の原発が想定している津波と耐震強度を提示し、「10メートル以上の津波と、阪神大震災レベルの地震(843ガル=揺れの勢い)に耐えられるものは一つもない」と追及。

 4月7日の余震でも、宮城県女川原発(東北電力)の想定値を超えていた事実を示し「震度6くらいで想定値を超えてしまう原発がほとんどだ。想定値の抜本的見直しが必要ではないか」と求めました。

 海江田万里経済産業相も「おっしゃる通り、(想定値は)早急に見直しをしたい」と答えました。

 大門氏は、運転再開が取りざたされている静岡県浜岡原発(中部電力)、新潟県柏崎刈羽原発(東京電力)についても地震と津波の備えが薄いとして「こんな状況で運転再開など許可していいのか。これを認めるかどうかは原発行政転換への試金石になる」と強調しました。

 菅首相は、「地震の影響を受けやすい場所に立地しているとの指摘を受けている。地元の意見もいろいろ出されており、政府として本当に国民に安心してもらえるのか、しっかり見極めて判断しなければならない」と述べました。

 大門氏は、政府が指示した緊急安全対策について、津波対策として打ち出されているのは冷却装置破壊後の電源車の配置などにすぎず、防潮堤など抜本的対策は中長期課題である上、地震対策が「全く欠落している」と批判。福島第1原発事故でも最初は、地震で送電鉄塔が倒れ外部電源が失われ、4月7日の余震でも、大きな縦揺れで青森県の東通原発などで外部電源が遮断されたことをあげ、地震対策に力を入れるべきだと述べました。

 海江田経産相は、対策が不十分だったとして、「中長期的な地震への備えをしっかりやらなければならない」と答えました。





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