2011年5月1日(日)「しんぶん赤旗」

法律守らず原発対応

住民・自治体無視を批判

塩川議員


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 福島原発事故を受け、政府が緊急事態宣言を出した際、法律に定められた「公示」文書にしていなかったなど原子力災害対策特措法に逸脱する数々の措置があったことが30日、衆院総務委員会での日本共産党の塩川鉄也議員の質問で明らかになりました。

 原災法は、原子力災害対策の実施措置を定めています。塩川氏は(1)緊急事態宣言発令の際、応急対策実施区域を公示していない(2)半径10キロ圏内の住民に「避難指示」を出した際の根拠条文に誤りがある(3)原子力災害合同対策協議会の構成員である市町村に会議参加をよびかけていない―といった法の逸脱があったことを指摘。資源エネルギー庁の黒木慎一審議官は、応急対策実施区域について「官房長官は、落ち着いて行動するようにとのメッセージが中心だった」と答弁。具体的には何ら公示していなかったことを認めました。また根拠法については「当時の混乱から適当ではない形になり、事務的に修正をした」、さらに合同対策協議会は「(関係自治体に)出席を呼びかけていない」と、これらの事実を認めました。

 塩川氏は「私権の制限など政府は強大な権限を持つ」と指摘。住民や地元自治体に対しても丁寧な対応が求められるにもかかわらず、法律上の措置さえとっていないとして「地元自治体不在、被害住民無視の対策となっている」とただしました。片山善博総務相は「法律で決められたことは守られるべきだ」と述べました。

 委員会の質疑後、東日本大震災に対応し、特別交付税を増額・交付する地方交付税特例法案の採決が行われ全会一致で可決しました。





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