2011年5月1日(日)「しんぶん赤旗」
福島原発 作業員被ばく240ミリシーベルトも
東電発表 特例限度に迫る
東京電力は30日、福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)で、3月末までに被ばく線量が累積100ミリシーベルトを超えた21人の作業員の詳しい調査結果を発表しました。
1人が、外部被ばくと内部被ばくを合わせ、限度に近い240・8ミリシーベルトに達していました。
この作業員は3月24日に、3号機のタービン建屋内にたまった高濃度の放射能を含む水に漬かり、病院へ運ばれた関連会社社員2人のうちの1人。外部被ばく線量、201・8ミリシーベルトに加え、内部被ばく線量が39ミリシーベルトでした。もう1人も外部被ばくが191・62ミリシーベルト、内部被ばくが35ミリシーベルトでした。
通常の原発作業員の被ばく限度は1年で50ミリシーベルト、5年で100ミリシーベルトです。福島第1原発事故後、政府は特例で250ミリシーベルトに引き上げています。
現在まで30人の作業員が100ミリシーベルトを超えています。
東電では、外部被ばくが150ミリシーベルトを超えれば福島第1原発での作業につかせないことで、特例の限度250ミリシーベルトを超えないようにしているとし、今回の調査で150ミリシーベルトを超えた7人が現場から離れているといいます。
作業員の被ばく管理については、内規を変更し作業員の一部に放射線量計を持たせないで作業にあたらせたり、女性職員が法定限度の3・5倍を超える被ばくをしていたなど、被ばく管理のずさんさがたびたび明らかになっていました。
外部被ばくと内部被ばく 体の外に付着するなどした放射性物質から体の表面に放射線を受けるのが外部被ばく。内部被ばくは放射性物質を含む微粒子や空気を口から吸い込むなどして体の内部が放射線を受けること。