2011年4月30日(土)「しんぶん赤旗」

就職支援への考慮求める

求職者支援法案 高橋議員が指摘


 失業手当を受給できない失業者が生活給付付きで職業訓練が受けられる求職者支援法案が、27日の衆院厚生労働委員会で全会一致で可決されました。採決に先立つ質疑で日本共産党の高橋ちづ子議員は「学卒未就職者や廃業者などへの職業訓練実施や生活支援は、わが党が提案してきた中身に合致している」と表明しました。

 高橋氏は、職業能力開発促進法では公共職業訓練施設の長に求職者に対する就職の援助が規定されているのに、求職者支援法では訓練実施機関にはそうした規定がなく、就職支援はハローワークに任されていることを指摘。訓練事業者の認定のさいには、訓練内容だけをみるのではなく、就職支援を考慮するよう求めました。厚労省の小野晃職業能力開発局長は「より就職に結びつく認定を行う」と述べました。

 高橋氏は、事業者が「(生活支援の)10万円がもらえる」と宣伝して生徒を募集し、「経験不問。時給800円」で講師を雇って訓練が行われている実態を指摘。「これでは安定雇用に結びつかない」と迫りました。細川律夫厚労相は「とんでもないこと。講師についても基準を設ける」と答えました。

 高橋氏は、302万人の失業者のうち失業手当受給者は57万人、求職者支援制度でも12万人程度しか受け皿がないことを指摘し、「雇用保険制度を拡充するべきだ」と主張。細川厚労相は、「雇用保険の充実は重要」と述べました。

 また高橋氏が、福島原発事故の影響で自主避難し職を失った例をあげ、「自己都合の退職」で雇用保険の適用を差別しないよう求めたのに対し、細川厚労相は「実情を考慮して適用する」と答えました。





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