2011年4月30日(土)「しんぶん赤旗」
劣悪な避難生活 改善を
「助かった命 犠牲にしないで」
生活再建・原発被害 全面的な補償要求
衆院予算委 高橋議員が質問
東日本大震災の復旧・復興のための第1次補正予算案を審議する衆院予算委員会が29日開かれました。日本共産党の高橋ちづ子議員は、「せっかく助かった命を犠牲にすることがあってはならない」と述べ、災害発生から1カ月半経た現在も続く劣悪な避難生活の改善や、生活再建への抜本的な支援を求めました。
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高橋氏は、避難所や施設で亡くなる被災者が相次ぎ、いまだに仕切りもない、温かい食事もないなど、命を縮めかねない避難所の実態を示し、「政府の調査で解決すべき避難所は58カ所と特定できている。市町村にやれと指示するだけではなく、電気、水道、食事など応援を集中すべきだ」と求めました。
松本龍防災担当相は「重要な指摘だ。私もそのことだけ言い続けている」、菅直人首相は「助かった方が亡くなることのないよう、しっかりと支援する」と答弁しました。
高橋氏は、全壊住宅再建に300万円支給する生活再建支援制度について、補正予算の規模では基金の残高と合わせても足りなくなると追及。松本防災担当相は、現行の300万円については「当然支払う」と答え、2次補正予算で増額する考えを明らかにしました。
高橋氏は、支給金額の引き上げとともに、街の復興のために中小業者や商店も対象にするよう求めました。
福島第1原発事故に伴う補償について高橋氏は、28日に発表された国の指針では、同じ被害を受けながら補償される地域とそうでない地域に線引きされてしまうと指摘。「住民を混乱させ風評を広げた責任は政府にもある。線引きせずに直接・間接の被害にこたえるべきだ」と要求。菅首相は「気持ちは分かる。一義的には東電の責任だが、最終的な責任が自分たちにあるとの観点でフォローしていく」と答えました。