2011年4月28日(木)「しんぶん赤旗」
原発規制・推進 分離を
原子力委員長“おっしゃる通り”
宮本氏質問
衆院科学技術・イノベーション推進特別委員会は26日、内閣府に設置されている原子力委員会の近藤駿介委員長と4人の委員に対する参考人質疑を行いました。
福島第1原発の事故について「深刻に受け止めている」(近藤氏)との発言が相次いだことを受け、日本共産党の宮本岳志議員が具体的な反省点を質問しました。近藤氏は「絶えず新知見に耳目を凝らし、リスクを低くする対策をとる姿勢が共有されていなかった」、鈴木達治郎委員長代理は「関係者の中で今回のような事故は起きないという意識があった。安全文化が欠けていた」、秋庭悦子委員は「国民を不安に陥らせ、信頼を裏切った」と述べました。
宮本氏は、日本共産党が早くから冷却設備の機能喪失で重大事故に陥る危険性に警鐘を鳴らし、対策を求めてきたことを指摘。同委がまとめた「原子力政策大綱」(2005年)には「万一の際」の「防災対策や防護対策も整備されてきている」としていたが、どんな災害を想定していたのかとただしました。近藤氏は「放射性物質の放出は1回で終わるという前提で、三つの原子炉が同時に被災し、長期間避難することは想定していなかった」と早急な見直しの必要性を認めました。
また、大庭三枝委員が、原子力安全・保安院が経済産業省に属していることを問題にしたことを受け、宮本氏は、「原子力安全条約」で義務付けているように規制機関と推進機関を分離すべきではないかと質問。近藤氏は「おっしゃる通り。絶えず問題がないか問いたい」と述べました。