2011年4月27日(水)「しんぶん赤旗」
公立病院の役割重い
参院委で山下氏 指針見直し要求
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参院総務委員会は26日、東日本大震災の被災者向けの支援策を盛り込んだ地方税法改正案を全会一致で可決しました。
採決に先立つ質疑で日本共産党の山下芳生議員は、震災を踏まえて公立病院の縮小・統廃合を進めてきた総務省の「公立病院改革ガイドライン」を見直すよう求めました。
山下氏は、全壊した8病院のうち6病院が公立病院だと指摘。「沿岸過疎地で救急を担い、過疎地の医療を支えてきた地域の基幹病院だ」と強調するとともに、多くの病院が地震直後から、(1)入院患者の避難(2)緊急の治療・救命(3)患者・住民に対する救護・医療(4)安全な場所への患者の移送(5)医療支援チームの取りまとめ―などの役割を果たしてきたと紹介しました。
これにたいし、大塚耕平厚労副大臣は、「(公立病院は)地域における極めて重要なインフラだ」と表明。片山善博総務相は「指摘の通り。民間の医療機関では採算の取れない医療をカバーしていた」と述べました。
山下氏が「地方自治体が復興計画を作成する際に、公立病院の位置づけを高める必要がある」と提起したことにたいし、片山氏は「当面の再生を急ぐとともに、災害に強い病院体制をいかに確保するかを念頭において計画を作ってほしい」と答えました。
山下氏は、総務省が、各自治体に「改革プラン」を作らせ、公立病院の縮小、再編、統合を進めてきたことを批判。ガイドラインを見直すよう求めました。
片山氏は、「震災の教訓を踏まえ、プランが妥当かどうか点検してほしい」と答えました。