2011年4月26日(火)「しんぶん赤旗」
きょうの潮流
「火(か)山は生きてる かきくけこ」「北(き)に三原の けむり立ち」「国(く)を知らせる たたずまい」…▼「大島あいうえおの歌」のカ行です。作者は、伊豆大島で教師をつとめ、退職後に「大島あいうえお塾」を開いた前田孝正さん。歌をつくって1年8カ月後の1986年11月、三原山が爆発します。1万人の島民が、島を脱出しました。1カ月におよんだ全島避難です▼三原山は、数百年ごとに大噴火を繰り返すといいます。前田さんが塾通信にのせた「大島の子・生活六条」も、いの一番に書いています。「いつ噴火があってもいいように、どんな避難生活にも耐えられるように、手足を鍛え、頭を磨き、心を豊かにしておこう」(前田孝正『大島千一日物語』)▼火山列島、地震列島の日本。大島の島民は、東日本大震災の被災者や、原発事故で避難を迫られた人たちを、25年前の全島避難の体験に重ね合わせて支援、応援しているのではないでしょうか▼その東京都大島町の町長に、日本共産党の町議を退いたばかりの川島理史(まさふみ)さん(58)が当選しました。“共産党ぎらい”の人を含む幅広い島民に推され、元町議会議長らに大差をつけました。開かれた町政、地域経済の振興、福祉の町づくり、自然エネルギーの活用などをめざします▼2011年いっせい地方選は終わりました。八重桜の花見で少し疲れをいやそうと、考える人がいるかもしれません。桜もちを包む葉は、大島など伊豆諸島に多く自生する大島桜の葉です。