2011年4月24日(日)「しんぶん赤旗」
国などの責任で補償必要
福島原発事故 科学者会議がシンポ
緊急シンポジウム「巨大地震と原発―福島原発事故の意味するもの」が23日、都内で開かれ、全国から180人が参加しました。日本科学者会議のエネルギー・原子力問題研究委員会、核・エネルギー問題情報センターが主催したもの。
5人が報告。清水修二氏(福島大学)は、現地で切実に求められている賠償、補償問題について、農水産物の出荷制限、作付け制限、失業など広範囲にわたることを指摘し、東京電力と国の責任による完全な補償が必要だと話しました。
舘野淳氏(元中央大学)は当面、実施すべきこととして(1)大地震・津波の予想される立地点での原発の廃止(2)老朽化した原発の廃止(3)原発行政の規制と推進の分離―を指摘しました。
野口邦和氏(日本大学)は、行政による食品や飲料水の放射能監視体制強化で暫定規制値を厳守することが求められるとし、今後、半減期30年の放射性セシウムなどの汚染に対し、住宅再建や農業再開へ「チェルノブイリ事故後の汚染地図に相当するものが必要になる」と述べました。
深尾正之氏(元静岡大学)は福島原発事故で長時間、空だき状態が続いた可能性は高いとし「幹部技術陣の不手際、危機管理体制の欠如は早急に根本的に改革されなければならない」と話しました。
立石雅昭氏(元新潟大学)は過去のデータから地震活動期にある日本列島で対策が不十分なまま原発54基を稼働させる危険性を指摘しました。