2011年4月24日(日)「しんぶん赤旗」

シリア 3月以来最悪の事態

デモ弾圧 88人死亡

反政府デモ調整民主的制度要求 委員会発足も


 【カイロ=伴安弘】シリアの民主化を求める数万人のデモが22日、首都ダマスカスをはじめ、全国各地で行われ、治安部隊が実弾や催涙ガス弾を使ってこれを弾圧しました。シリアの人権団体によると、少なくとも88人が死亡、3月初めのデモ開始以来最悪の事態となりました。3月以来の死者の数は約300人といわれます。


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 デモが行われたのは南部ダラア、ダマスカスのバルゼン地区、同市の北のドゥマ、シリア第3の都市ホムス、ハマ、港湾都市ラタキア、バニヤス、北部のラッカ、イドリブ、北東部のクルド人居住区などで、アサド政権の退陣を要求しました。ダラアではイスラム教の金曜礼拝の後、「国民は屈服しない」「われわれは殺人政権を踏み超える」と唱和しながら行進しました。

 3月半ば以来デモが続いてきたダラア近郊の村イズラでは、村役場に向けて行進していた参加者らに実弾が発射され14人が死亡、11歳の少年も殺害されました。

 アサド大統領は前日の21日に非常事態法の解除法案に署名し、「改革」のポーズを示しました。しかし、アサド政権はデモを許可制とする法案も同時に通しており、人権団体は、集会の自由を制限する非常事態法と何ら変わらないものだと非難していました。同大統領は先週、非常事態法を撤廃した後はデモに容赦しないと述べていました。

 これに対し、反政府デモを調整し、民主的制度の樹立を要求する委員会が初めてつくられ、22日に声明を発表しました。

 同委員会は▽デモ参加者への暴力、拷問、殺害、逮捕の停止▽死者に対する3日間の国家による服喪▽デモ参加者の死亡に関する独立機関による調査と、証拠が明らかになった場合の訴追▽すべての政治囚の釈放▽大統領任期を2選に限定することを含む憲法の改正―を要求しています。





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