2011年4月24日(日)「しんぶん赤旗」

福島1号機 格納容器に大量の水

圧力容器、水漬け状態に


 東京電力福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)1号機の原子炉格納容器に大量の水がたまり、炉心が入っている原子炉圧力容器も“水漬け”状態となりつつあることが23日わかりました。経済産業省原子力安全・保安院が記者会見で明らかにしました。

 東電は17日に発表した「事故の収束に向けた道筋(工程表)」で、炉心を冷却する方法の一つとして圧力容器を覆っている格納容器に水を入れ、圧力容器内にある核燃料の頂部を上回る高さまで格納容器内を水で満たすとしていました。しかし、その後、そのための作業を始めたという発表はしていませんでした。

 東電と保安院は23日、現在続けている窒素の注入による圧力の推移などから格納容器内に水がかなりたまっていると考えられると説明。東電はどこまで水がたまっているか明確に示しませんでしたが、保安院は圧力容器下部にある計器の電気抵抗の変化から、圧力容器自体が水に漬かった状態と考えられるとの認識を示しました。

 東電は核燃料を冷却するため、1号機の圧力容器内に1時間当たり約6トンの水を注入。これまでの注水量は総計で約7000トンにのぼり、核燃料が発熱した分を冷やすのに必要な量を上回るため、余分の水が格納容器内にたまっているとみています。

 格納容器に水を入れることはもともと想定されていませんでした。格納容器に水を入れた場合、今後発生が予想される規模の大きな余震に耐えられるかなどの問題点が専門家から指摘されています。東電はそれに答えないまま事実上水漬けを開始したことになります。

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