2011年4月23日(土)「しんぶん赤旗」
震災後解雇 求人なし
民青同盟 仙台でアンケート
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日本民主青年同盟宮城県委員会は21日、仙台市内のハローワーク前2カ所でアンケートを行い、東日本大震災が青年の生活に及ぼした影響などを聞き取りました。
1歳の子どもがいる多賀城市の女性(22)は、アルバイト先の飲食店が津波で被災し、営業再開のめどが立たないと解雇されました。女性は「早く仕事を見つけないと、子どもの保育園を退所させられる。資格のない自分でも受け入れる働き口を増やしてほしいけど、みんな大変だと思うとなかなか希望は言えない」と苦しい胸の内を話しました。
2月から就職活動を始めているという大学4年の男性は「愛着のある仙台で働きたいが、地元の求人が少ないので不安だ。2次面接まで通った会社は、震災後、連絡がきていない」と語りました。
「友人が福島の広告代理店の就職内定を取り消された」(仙台市の22歳男性)など、周囲で内定取り消しの事態が起きているという声も聞かれました。
初めてアンケート活動に参加した民青同盟地域班の女性(27)は「働きたくても働けない、先の見えないつらさは誰も一緒だと感じました」と話しました。
内定取り消し91人 高・大卒者
宮城県内
宮城県内では、若い世代のなかで雇用不安が広がっています。
宮城労働局によると、東日本大震災後の3月16日から4月13日の約1カ月間で、宮城県内45の事業所で、高卒、大卒者91人が就職内定を取り消されています。同局の担当者は、例年ならば内定取り消しは数件にすぎないとし、「沿岸部の事業所が津波で流されたり、取引先が被災したりしたことで業務を縮小する事業所が出ていることが影響している」と話します。
大卒、専門学校卒を対象に就職相談を行う仙台学生職業センターでも、内定取り消しに関連する相談者は増えたといいます。同センターの春日勉室長は「相談者数はこの1カ月で50人ほど。宮城、岩手、福島の就職先で内定を取り消されたケースが多い」と語ります。今後、同センター主催の面接会を増やすなど、対応を考えています。
相談者の中には、大震災が原因で自主退職をした男性(25)=富谷町=の姿もありました。勤めていたIT関連の会社は、震災による設備の事故で業務ができず、人員削減を打ち出しました。男性は「苦渋の選択でしたが、辞めさせられる前に自主退職しました。地元でまたITの仕事をしたいけど、条件が合うには首都圏も視野に入れないとだめかな」と語りました。
専門学校をこの春卒業した女性(23)も相談に訪れていました。自宅が被災し、「ウェブデザイナーを志していましたが、就職先を探すどころではなかった」と話しました。(山本健二)
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