2011年4月23日(土)「しんぶん赤旗」
きょうの潮流
東京の墨田区に建設中の世界一のっぽの電波塔・東京スカイツリーは、積み上げてきた高さがてっぺんに達しました。東日本大震災の1週間後でした▼634メートル。工事は、ことし末にすべて終わる予定です。食堂や店も入る塔の総事業費は、650億円といいます。ざっと1メートルあたり1億円。鉄道会社の事業ですが、さて、高いとみるか安いとみるか▼東京郊外の11万都市の駅前再開発に、スカイツリー並みの総事業費611億円。こちらは、やっぱり高すぎます。隣の市の駅前再開発の2倍。市の負担分が市民1人あたり20万円の230億円以上という、国分寺市の計画です▼2棟の高層マンション建設が目玉の再開発です。市のうたい文句は、「緑あふれる武蔵野の、天平の史跡のまち」。しかし、借金もすでに500億円以上。由緒ある家に身の丈忘れた放蕩(ほうとう)息子が現れ一家を滅ぼす、といった図です▼国分寺市の日本共産党は提案しています。商店街の道路を整備し、駅前広場をつくり、活気があって災害にも強い街へ再開発を。不動産業かと見まがう行政を改め、福祉や防災など本業を立て直すかどうかも、共産党の仕事ぶりにかかります。本業といえば、国分寺は市役所も空き家だといいます。大地震に耐えられないと判定され、仮庁舎住まい▼震災後、市民が不安を訴えています。「駅前再開発より、災害が起きたとき私たちのよりどころになる市役所が先。優先順位が違う」。国分寺市議選もある、いっせい地方選はあす投票です。