2011年4月23日(土)「しんぶん赤旗」

「儀軌」引き渡しに期待

衆院委 日韓関係発展へ笠井議員


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(写真)質問する笠井亮議員=22日、衆院外務委

 日本共産党の笠井亮議員は、「日韓図書協定」の承認を審議した22日の衆院外務委員会で、日本が朝鮮半島を植民地支配した時代に持ち出した「朝鮮王朝儀軌」の引き渡しに期待を表明しました。

 「儀軌」は、朝鮮王朝の行事に関するあらゆる記録がまとめられたもの。韓国国会は2度にわたり返還要求を決議。日本政府は昨年8月の菅首相談話で「朝鮮半島由来の貴重な図書」の引き渡しを表明、それにもとづき協定が締結されました。笠井氏は、韓国側にとって儀軌は「朝鮮王朝の正統性を受け継いだ、韓国と韓国民族のアイデンティティー(独自性)に深くかかわる記録遺産であり、大事な文化遺産」(韓国の国会決議)だと強調しました。

 伴野豊外務副大臣は、請求権問題は解決済みだが、この問題で「個別の事例に応じて対応していきたい」としてきた政府の立場を表明。その立場から、2国間協定を結んだ前例もあると答弁しました。

 笠井氏は、明成皇后の国葬が清朝からの韓国独立宣言に合わせて行われたことも示し、同皇后の葬儀の記録も含んだ儀軌の引き渡しには「象徴的な意味がある」と強調し、政府の認識をあらためてただしました。

 松本剛明外相は、図書協定は両国間関係の未来に向けての発展を目指しており、儀軌の引き渡しによって「両国民の感情が一層よくなることが期待される」との考えを表明しました。





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