2011年4月22日(金)「しんぶん赤旗」
全商連 震災復興へ緊急提言
生活・地域の再建が土台
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東日本大震災で被災した中小業者の実態と声をもとに全国商工団体連合会(全商連)は21日、「大震災からの地域復興に向けた緊急提言」を発表しました。
西村冨佐多・全商連副会長らが記者会見して明らかにしました。
西村氏らは、「重大な被害を受けた地域には世界の三大漁場のひとつの三陸沿岸があり、高度な加工技術を持つ企業が立地するなど日本経済への影響は非常に大きく、回復をめざすうえで中小業者や農林水産業者を中心とした復旧・復興が欠かせない」と強調しました。
「提言」は(1)住民生活と中小業者の経営再建(2)住民主体の災害に強いまちづくり(3)原発被害の損害賠償と既存施設の総点検(4)復興財源―についてまとめています。
具体的には(1)の項で「生活再建、地域社会の再建こそ、復興の土台。個人補償の抜本的拡充」「復興の推進力、雇用創出の担い手である中小業者・地域産業の再建を復興に位置づける」としています。
(2)の項では、被災者が参加し、「地域コミュニティーを生かしたネットワーク型防災システムの確立をはかる」としています。
(3)の項では、「東京電力と国は福島原発事故を人災と認め、中小業者への損害賠償を直ちに行う」「新たな原発計画の中止、いわゆる『24時間型社会』というエネルギー浪費社会のあり方の見直し」を主張しています。
(4)の項では、「復興財源は消費税増税に頼らず、大企業、大資産家へのばらまき減税の見直し、米軍への思いやり予算などの無駄遣いの中止」を提起しています。
全商連は政府の復興会議での議論や今後実施される施策に反映されるように関係各部署に働きかけるとともに、国会議員、被災地の自治体、地方議員、業界団体などに要請・懇談していくことにしています。
吉井議員に要請
西村副会長らは同日、日本共産党の吉井英勝衆院議員をたずね、この日発表した「提言」を手渡し、懇談しました。吉井議員は、復興へ向けて、「一つひとつ世論と運動を大きくして実現をめざしましょう」とのべました。
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