2011年4月22日(金)「しんぶん赤旗」
きょうの潮流
ジャーナリストの伊藤千尋さんは、世界最大の露天風呂を訪れています。ところは、北欧アイスランドの首都レイキャビク近く▼サッカー場2面分の広さに、真っ青な湯。水着姿で入る市民。ついでにできた温泉です。地熱発電所をつくったあたりに、発電に利用した熱い湯がたまりました。“では露天風呂に”というわけです▼火山国アイスランドは、地熱と水力で電力のほぼすべてをまかないます。中米コスタリカも同様です。伊藤さんがコスタリカで“自前で地熱発電を?”ときくと、実は日本の技術だった…。伊藤さんが講演先に送っている、震災見舞いから紹介しました▼火山国日本。地熱発電は、国立公園内の自然保護とのかねあいなど難題もあります。が、地表近くを除く99%が1000度以上の熱い惑星・地球の潜在力をどう生かすか、考える余地は大きいでしょう。八丈島は、夏の盛り以外あらまし地熱発電に頼ります。潜在力は、太陽光も膨大です▼日本の太陽光・風力・生物燃料の潜在力は、いまある原発の総発電量の40倍を超えます。日本共産党の吉井英勝議員が計算してみました。私たちが電気料金と一緒に払う「電源開発促進税」年3500億円を、民家の太陽光発電の補助に回したら―。それだけで10年で1400万戸の「発電所」ができ、新潟・柏崎刈羽原発を上回る電力が生まれます▼ふたたび伊藤さんの震災見舞いから。「日本は平和憲法や地熱発電という、いいものをせっかく持ちながら、自分では使わない」