2011年4月21日(木)「しんぶん赤旗」

政党助成金 なぜ返上しない

「復興財源に回せ」の声よそに

共産党は一貫して受け取り拒否


320億円 義援金の9万世帯分

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 東日本大震災の復興財源が問われるなか、民主、自民、公明、みんな、社民、国民新、たちあがれ日本、新党改革、新党日本の9党が20日、国民の税金である政党助成金、2011年第1回分を受け取りました。

 その額、約80億円。「政党助成金も復興資金にせよ」(「朝日」5日付「声」欄)など、一般紙の投書やコラムなどでは年総額約320億円にのぼる政党助成金を返上し、復興財源に充てる提案が相次いでいます。その声に逆らって9党は血税を山分けしているのです。

 9党は、政党助成金を扱う総務省へ11日までに受け取りの請求書を提出しました。20日に交付された第1回分の政党助成金計約80億円の内訳は、民主党42億647万円(年交付額で168億2588万円)、自民党25億2867万円(同101億1468万円)、公明党5億6883万円(同22億7534万円)、みんなの党2億7907万円(同11億1630万円)などとなっています。

 今回の大震災の被災者に対する義援金の第1次配分は、住宅の全壊・全焼・流失などで1世帯35万円の支給額が決められました。政党助成金の年総額は、その9万世帯分に相当します。

“政党の資格問われる”

投書やコラムにも批判多数

 政党助成金は、阪神・淡路大震災がおきた1995年から実施されました。当時も、被災者の苦しみをよそに政党助成金を平然と受け取る政党の姿に「国民を代表する資格があるのか」と批判の声があがりました。

 日本共産党以外の全政党はその後も「民主主義のコスト」などといって自らの懐に入れ、蓄財にしてきました。2010年までの16年間の交付総額は5038億円にのぼります。

 支持政党にかかわりなく国民の税金を各党に配分する政党助成金は、憲法が保障する思想・信条の自由に違反する制度です。また本来政党の財政は国民との結びつきを通じて自主的につくるべきものです。こうした立場から日本共産党は一貫して政党助成金の撤廃を主張し、受け取っていません。復興のために充てるよう求めています。

 西岡武夫参院議長は3月31日の記者会見で、記者から「復興財源に政党助成金を充てるという議論が共産党ぐらいしか出ていないが」と問われ、「その指摘は確かに正しい。当然、その議論もあってしかるべきだ」と述べています。

 各紙でもきびしい目が向けられています。

 「政治家は寄付行為をすると法律違反なので、出したくともできないという。本当に出したい気持ちがあるのなら、政党と議員が全体一致して政党助成金を、半額ぐらいは供出したらどうだろう。もとは国民の税金だ」(「東京」7日付「発言」欄)

 「年間320億円という政党助成金は国民1人当たり250円の税金が原資として使われている。つまり今回の大震災で被災した人たちが納めた税金も含まれている。それでも政党助成金をもらうつもりなのか」(「朝日」名古屋版4日付「声」欄)

 「共産党を除き、これまで受け取ってきた各政党も交付金を返上し、率先垂範して被災者とともに立ち上がる姿勢を見せてもらいたいのです」(「毎日」1日付「みんなの広場」欄)

 「政党が街に出て募金を募るのも結構だが、政党は年間総額約320億円の税金を政党交付金として受け取っている。…いっそのこと来年度の政党交付金を全額寄付したらどうだろうか」(日刊スポーツ3月26日付)

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