2011年4月20日(水)「しんぶん赤旗」
高濃度汚染水を移送
福島原発2号機 来月中旬まで1万トン
東京電力は19日、福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)2号機のタービン建屋地下などにたまっている高濃度の放射能汚染水を、敷地内の集中廃棄物処理施設にポンプで移送する作業を開始したと発表しました。約2万5000トンの汚染水のうち約1万トンを、5月中旬ごろまでに移す計画です。
2号機タービン建屋地下の汚染水は、原子炉圧力容器内の破損した核燃料で汚染されており、一部が地下配管トンネルのひび割れを通じて海に流出。6日に止水したものの、水位が高くなるなど、再び海へ漏えいする危険性が高まっています。一方、原子炉冷却のため注水を続けなければならず、緊急の移送先が必要となったとしています。
東電によると、2号機から長さ約800メートルのホースをつなぎ、同日午前にポンプ1台で汚染水を処理施設のプロセス主建屋地下2階部分へ移送を開始しました。さらにポンプを3台に増やして、1日約480トンのペースで進める予定です。
しかし、同日午後6時現在、約96トンの汚染水が移送されたはずですが、地下配管トンネルにつながる立て坑の水位はほとんど下がっていません。トンネルなどに、どこからか流入した可能性があるといいます。
今回の移送計画について東電は18日深夜、経済産業省原子力安全・保安院に報告。保安院は「やむを得ないが必要な措置」と了解したうえで、汚染水管理の徹底と漏えい時の対策をあらかじめ検討するよう指示しました。
今後、東電は汚染水を減らすため、6月までに放射能を低減させる水処理システムを構築し、7月をめどに汚染水を原子炉冷却に再利用する循環システムを確立したいとしています。
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