2011年4月19日(火)「しんぶん赤旗」
電力会社への経産省幹部ら天下り自粛
枝野官房長官が発表
塩川議員の質問生きる
枝野幸男官房長官は18日午前の記者会見で、資源エネルギー庁や原子力安全・保安院を含め経済産業省の幹部職員の電力会社役員への天下りを自粛させると発表しました。
電力会社側にも協力を求めます。
枝野長官は会見で「原子力行政の在り方について、(東京電力の)福島第1原発事故を収束させ、原因を検証した上で抜本的見直しを行うが、その結論を得るまでの間も、国民の疑念を抱かぬよう経産省幹部の電力会社への再就職の自粛措置を講じる」と述べました。
具体的には、(1)事務次官、経産審議官、官房長、総括審議官や、エネ庁または保安院の指定職経験者は自粛(2)その他の指定職経験者は離職後3年以内は自粛(3)エネ庁または保安院の課長以上経験者は離職後2年以内は自粛―としました。
また、枝野長官は、既に東電顧問として、ことし1月に天下りしている石田徹前資源エネルギー庁長官らについて「自粛を求める対象になり得ないが、政府の対応を見て、個人の責任と判断で適切な対応をすると期待している」とのべ、自発的辞任への期待感を示しました。
この問題は、日本共産党の塩川鉄也議員が13日の衆院内閣委員会で、経産省から東電への天下りが切れ目なく行われていることや、東電を含む10電力会社への天下りが45人にのぼることを指摘、所管する官庁から所管する業界そのものへの天下りを禁止するよう求めていたもの。
枝野長官は、「指導監督する行政の側と指導監督を受ける側との間に、いささかも癒着を生じているというような国民的な疑義があっては許されるものではない。どうしたらやめさせることができるか、しっかり検討したい」と答弁していました。
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