2011年4月19日(火)「しんぶん赤旗」

福島第1原発事故

備え怠り対策も遅れる

東電・政府の責任重大

大門参院議員が追及


 「二度とこうした原発事故を起こさないために、東京電力は事故を起こした責任を認めよ」

 日本共産党の大門実紀史議員は18日の参院予算委員会で、政府とともに東京電力の責任をただしました。

 東京電力の清水正孝社長を参考人として招致した同日の集中審議。おわびはあるが、事故を起こしたことにたいする謝罪はないとして大門氏は、日本共産党福島県委員会や市民団体が再三、津波被害などで冷却機能が失われる危険性を指摘し、直接東電に対策を求めてきた事実をあげて責任を問いました。

 大門 いろんな知見に耳を傾けず、津波対策を怠ってきた。事故を起こした責任をはっきり認めるべきだ。

 清水社長 想定は甘かった。原因については徹底分析したい。

 責任について答えず、あくまでも、今回の事態は「想定外」だったと強弁する清水氏。

 大門氏は、東電は「低い津波しか想定していなかったという自己批判、責任、謝罪がないと、同じことを繰り返すことになる」とのべ、菅首相も同じ認識かと質問しました。

 菅氏は、「予想の甘さがあり、原因になったことは免れない」と東電の対応を批判せざるをえませんでした。

 事故後の対応が適切だったのか―。

 大門氏は、原子力安全基盤機構が昨年10月に示した報告書を示し、東電の事故対応を追及。原発が全電源を喪失した場合、同報告書では16時間半後に格納容器が熱で破損し、放射性物質が外部に流出すると警告していることを指摘。ところが、海江田万里経産相が海水の注入を命令したのは3月12日午後8時5分、東電による注入開始は同20分だったことをとりあげ、「もっと早い段階で海水を注入していれば、水素爆発は避けられたかもしれない。なぜもっと早く決断しなかったのか」とただしました。

 清水社長 最善の努力で海水注入をやった。

 大門 最善の努力をしてなぜ爆発したのか。(海水注入で)廃炉にするのが怖かったのだろう。普段からの備えをしていない、事故が起きたときも海水を入れない、知見さえ知らない。二重の人災だ。東電の責任は重大だ。

 首相はどうだったのか―。

 大門氏は、菅首相が原子力安全基盤機構の報告書を「知らなかった」と答えたのを受け、全電源喪失(11日午後3時42分)から十数時間後という一番大事な時間に、現場視察のために政府内の対策本部を離れた菅首相の対応を批判しました。

 大門 東電が、(海水注入や蒸気排出を)やらねば、(政府が)すぐやらさなければいけない十数時間だった。そのときに官邸を離れるのは不適切だ。

 菅首相 現地を見て、話を聞いたことは、その後の対応につながった。対策を考える上で効果があった。

 同報告書の警告を知った今でも対策本部を離れた対応を正当化する菅氏にたいし大門氏は、「もっと早く海水注入やベントをやらせていれば、爆発は起きなかったかもしれない。不適切だったと反省すべきだ」と批判しました。

表




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