2011年4月18日(月)「しんぶん赤旗」
経産省から電力会社に天下り
東電など6社に在職 塩川議員調査
東京電力の副社長が、監督官庁の経済産業省ОBの天下り「指定席」になっていることに枝野幸男官房長官も「社会的に許されぬ」とのべるなど、天下り規制の必要性が浮き彫りになっています。こうしたなか、日本共産党の塩川鉄也衆院議員の調べで東電をふくむ6電力会社の役員に経産省ОBが在職中であることがわかりました。
塩川氏によると、これまで電力会社ごとに天下りした数は、東北電力、九州電力が各6人、北海道電力、東京電力、北陸電力、関西電力が各5人、沖縄電力が4人、中部電力、中国電力、四国電力が各3人。10電力会社で計45人にのぼります。
東電同様、どの電力会社も、ほぼ切れ目なく、経産省(旧通産省)幹部が天下りしていることが特徴です。
たとえば、関西電力が、井上保通商産業省公益事業局長(顧問→取締役→常務→副社長)▽柴田益男資源エネルギー庁長官(顧問→専務→副社長)▽長田英機中小企業庁長官(顧問→取締役→常務→副社長)▽岩田満泰中小企業庁長官(顧問→常務→副社長)▽迎陽一経産省商務流通審議官(顧問→常務)といったぐあいです。
45人のうち、現在、電力会社に在職中の天下り官僚は、前資源エネルギー庁長官の東電・石田徹顧問、関西電力の迎常務のほか、北海道電力の山田範保常務、北陸電力の荒井行雄常務、四国電力の中村進取締役、沖縄電力の遠藤正利取締役の計6人です。
東電の福島第1原発などをはじめ、北海道電力―泊原発、北陸電力―志賀原発、関西電力―美浜原発、大飯、高浜の各原発、四国電力―伊方原発と、各電力会社はこぞって原発を推進しています。
「原発、原子力の安全を指導監督する行政の側と、指導監督を受ける側との間に癒着を生じているというような国民的な疑義がいささかもあっては許されるものではない」。枝野官房長官は、13日の衆院内閣委員会での塩川氏の追及にこう答えました。
四国電力の中村常務が、経産省の原子力安全・保安院主席統括安全審査官だったように、天下りは癒着そのものです。福島原発事故の教訓からも、天下りの厳格な禁止が求められています。
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