2011年4月18日(月)「しんぶん赤旗」
原発事故の判断稚拙
CS番組で大門氏 東電・政治の責任追及
日本共産党の大門実紀史参院議員は16日夜放送の朝日ニュースター「闘え!山里ジャーナル」に出演し、福島第1原発事故の現状や復興、エネルギー政策について各党代表と討論しました。
事故をめぐるデータ公開が不十分だという議論の中で大門氏は、「まず東京電力や原子力安全保安院が情報をつかむが、そこでの判断が稚拙だ」と指摘。電源がダウンしたら2時間後に圧力容器が破損すると予測されてきたことをあげ、「海水の注入の判断が遅れるなど、事故後の人災という側面もある。教訓を生かすためには、広く専門家の知恵を集めて対処する必要がある」とのべました。
大塚耕平厚労副大臣や自民党の林芳正参院議員らが、放射線による健康被害への国民の不安に対し“確率”論を強調して「冷静に受け止めるべきだ」と述べたのに対し大門氏は、「何のためにあれだけの人々が苦難を強いられているのか」と批判。「風評被害は良くないが、妊婦や子どもなどに影響が出るという世界の例にもとづいて避難指示が出ている。これだけの事態を引き起こした政治の責任、原子力行政の責任が厳しく問われている」と述べました。
復興をめぐり大門氏は、「私も石巻に行ってきたが、立ち直れない個人がたくさんいる中で、お金を貸すといっても借金が残っていて借りられない。債務凍結など、最低でもマイナスでなくゼロからのスタートにしてあげるべきだ」と強調。復興政策をめぐり「地元の意見を聞かず上から再建の絵を描くというやり方はダメ。石巻でも自分たちの漁港をこうしたいと復興会議ができている。そういう知恵を集めてやるのが筋」とし、福島県については原発事故の対応もあり独自の復興策が必要だと述べました。
エネルギー政策については、「まずは全国の原発の総点検、緊急に耐震性の強化を図るべきだ」とし、「ドイツでも2020年には自然エネルギー30%という方向を打ち出した。日本が方向転換しないわけにはいかない」と述べました。
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