2011年4月17日(日)「しんぶん赤旗」
震災口実に“押し付け”プラン
道州制導入 農業の大規模化 TPP参加…
自民党の西村政調副会長
「これまでやろうとしたができなかった、進められなかったことを、震災復興の機会に一気に進めるべきだ」
16日、東京都内で開かれ民間団体主催の「震災復興と日本農業の自立・再生」をテーマにした会合で、自民党の西村康稔政調副会長(党「影の内閣」経済産業大臣)は、大企業優先政策を断行する好機との認識を示しました。
西村氏は、東日本大震災の復興の基本方向について、「市町村ごとの将来像も考えなければならないが、広域の被害だから道州制という、より大きな単位で基盤整備を考えるべきだ」と語り、道州制の導入を視野にした「上から」の復興プラン作りの必要を強調しました。
農業再生について西村氏は、福島県相馬市の一集落で津波のため農地300ヘクタールが海水に漬かった例を引いて「できれば300ヘクタール全部を一つの法人(企業)にして、大規模な農業のモデルケースにしたらどうか。日本では農業の大規模化が条件的に限界があった」と指摘。環太平洋連携協定(TPP)参加を視野に、農業者一戸当たり平均2ヘクタール以下とされる同地域の農地を一挙に集約する方向を検討すべきとしました。
被災地域の水産漁業産業再生については「水産、食品加工などへ外資系を含め思い切った優遇制度を入れた企業誘致による(産業)集積地を再構築する必要がある」と、大企業・外資優位の復興策を強調しました。
西村氏の発言は、「上から」の復興計画作りを提唱する財界の意向と同じ方向を示しています。
西村氏は、現在、自民党の復興プラン案作成にかかわる立場です。政府・民主党は震災対策と同様に自民党の震災復興計画のプランを大幅に取り入れる考えといわれます。
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