2011年4月17日(日)「しんぶん赤旗」
危機打開へ 共産党の論戦と行動 (中)
住宅・雇用・福祉 被災者の切実な声届けて
希望者全員が入れる仮設を
日本共産党は、「希望者全員が入れる仮設住宅を確保する」という立場で政府が目標と計画を示し、民有地の借り上げなど手だてを尽くすよう求めてきました。同時に、それまでの間、雇用促進住宅やUR賃貸住宅、民間住宅の大量借り上げなどを提起してきました。
このなかで穀田恵二、高橋ちづ子両衆院議員や紙智子参院議員が仮設住宅建設に地元産材を活用すれば雇用対策にもなると要求、大畠章宏国交相は12日、東北地方産材の積極的活用を指示しました。
民間住宅借り上げについては、穀田氏に国交相が「検討したい」と答弁(3月23日)。高橋氏が災害救助法に定めていると迫ると、岡本充功厚労政務官は「借り上げにより住宅確保に努める」(25日)と答えました。雇用促進住宅の入居期限6カ月については田村智子参院議員に小宮山洋子厚生労働副大臣が「柔軟に対応したい」(25日)と答えました。
個人補償の抜本的拡充を
共産党が主張 首相も「必要」
日本共産党は「生活再建、地域社会の再建こそ、復興の土台」と主張。志位和夫委員長や山下芳生参院議員、紙議員らが、全壊でも300万円にとどまっている生活再建支援法の拡充を求めてきました。志位委員長との会談(31日)で菅直人首相は「私も引き上げが必要だと思う」と答えました。
雇用創出基金の積み増し求める
大門実紀史議員は3月28日の参院予算委員会で「ガレキ撤去でも何でも仕事ほしい」との声を紹介し、国として失業対策として行うよう要求。細川律夫厚労相は「雇用創出事業を活用してほしい」と答えました。
田村智子議員は4月12日の参院厚生労働委員会で、雇用創出基金の積み増しを要求。小宮山厚労副大臣は、「第1次補正のみならず、その先まで含めて考えていきたい」と表明。政府は雇用創出基金を500億円積み増す方針を決め、被災者対応の事業として活用を呼びかけました。
雇用調整助成金要件緩和を要求
高橋氏は同月15日の衆院厚生労働委員会で、青森など9県に限定している雇用調整助成金の要件緩和を、全国的に適用すべきだと要求。細川厚労相は、「必要な場合は見直しを行う」と答えました。雇調金の緩和は当初、東北など5県のみに限定されていましたが、田村氏が質問で要求し、拡大させてきました。
被災者への失業給付から原発事故避難者が除外されていた問題では、田村氏が3月25日の委員会で、対象にすべきだと質問。細川厚労相は「前向きに検討する」と述べ、28日には対象にすると発表しました。宮城など3県のハローワーク職員が300人増員されます。これも田村氏が25日の委員会で求めていました。
医療費窓口負担猶予の拡大要求
厚労省は、医療費の窓口負担猶予を当初、全半壊などに限定していましたが、被災して失職した人も含むなど拡大しています。田村氏は3月24、25日の厚労委員会で、被災者に条件をつけず、「窓口負担猶予とすべきだ」と求めてきました。
り災証明書の発行を簡素化
高橋氏は3月28日の衆院災害対策特別委員会で、各制度の手続きのために、り災証明書の発行が急がれるとして、発行手続きの簡素化を要求。内閣府は、津波による住居の被害認定に航空写真を活用できるようにするなど簡素化を通知しました。
授業料猶予など弾力的扱い要求
宮本岳志議員は、4月6日の衆院文部科学委員会で、「親を亡くし大学をやめようと考えている」との声を紹介し、学業を断念せざるを得ない状態が広がっていると質問。高木義明文科相は、奨学金制度や授業料猶予などを弾力的に取り扱うことを表明。政府はこのため1次補正予算には、200億円程度を予定しています。 (つづく)