2011年4月15日(金)「しんぶん赤旗」
原発事故
今も燃料棒露出
吉井議員質問 保安院認める
日本共産党の吉井英勝議員は14日の衆院消費者問題特別委員会で、福島第1原発の事故機で炉心溶融が起きていることは明白だと述べ、放射性物質の核種ごとのデータなどの公開を求めました。
吉井氏は、政府がようやく明らかにした記録によると、事故直後に冷却水の水位が下がり、燃料棒(4メートル)の露出が▽1号機では3月12日午前8時36分〜4月8日午前6時まで1・7メートル〜1・8メートル▽2号機では3月14日午後5時以降、最大で2・7メートル▽3号機では3月13日午前8時に3メートル―に達していたことを指摘しました。
経済産業省原子力安全・保安院の寺坂信昭院長は、現在も1号機で1・6メートル、2号機で1・5メートル、3号機で1・75メートル〜2・25メートル程度、燃料棒が露出していると認めました。
さらに吉井氏は原子力安全委員会の班目春樹委員長に対し、3月11日の大震災で外部電源と内部電源が失われ、早期に炉心溶融が起こると判断できたはずだが、官邸に危険な状態だと伝えたのはいつかとただしました。
班目氏は「原子炉の圧力を下げて最終的に格納容器からベント(排出)をしないと大変なことになるということは(当日午後)8時、9時くらいから経産大臣に伝えているし、(深夜の)1時か2時には総理も含めてご理解いただいた」と話しました。
吉井氏は「かなり早い時期に炉心溶融の危険性を認識して提起されながら対策が遅れてしまったことが、事故の拡大につながっている。責任は非常に重い」と指摘しました。