2011年4月15日(金)「しんぶん赤旗」
生活支援の充実を
全労連など 政府に要請、東電に抗議
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全労連などでつくる東日本大震災労働者対策本部と東京春闘共闘は14日、内閣府に対し、被災者の生活支援にかかわる追加的要請を行うとともに、都内にある東京電力の事務所を訪れて被害補償やクリーンエネルギーへの転換を求めました。
緊急支給を
内閣府では、全労連の小田川義和事務局長が、(1)当面の生活費の緊急な支給、義援金の配布(2)行政機能回復による被災者の処遇改善(3)災害救助法の弾力的運用の周知徹底と、被災者支援の柔軟な継続(4)休業補償制度の早急な整備(5)生活保護制度活用の周知徹底―を求めました。
福島県労連の代表は、「原発事故の避難で先が見えず、仕事もどうなるか。生活を支えるために仕事を見つけられる政策を早急にうちだしてほしい」と要望。自治労連の代表は、「職場の仲間、家族が目の前で流されている。心のサポートが必要だ」と語りました。
応対した内閣府の企画官は、「全力を尽くしているが十分でないとこもある。各省庁と連携して対応したい」とのべました。
東電に怒り
東京電力では、▽遠隔地への避難を強いられている被災者や、農畜産・海産物の出荷停止、風評被害による売り上げ減、営業・操業の休止などに対する補償の早期具体化と実施▽原子力エネルギー政策から、クリーンエネルギー政策への転換を強力にすすめていくこと―などを申し入れました。
応対した東電の責任者は、福島第1原発事故は地震・津波の天災に起因した想定外の事故と説明。
福島県労連の斎藤富春議長はチリ級津波がくれば重大な事故が起こりえると東電に指摘を続けてきた事実をあげ、「原発事故は自然災害ではなく人災という認識に立ち、被災者への補償と今後のエネルギー政策に取り組むべきだ」とただしました。
参加者からは、「避難所では1日の食事が冷たいおにぎりとパン一つという状態が1カ月間続いている」「酪農家は家族同様に育ててきた牛を原発付近にのこしたまま避難をしいられている」「いつになったら元の生活に戻れるのか。いますぐ当面の生活の補償をすべきだ」と怒りの声が相次ぎました。
参加者たちは政府と東電が推進してきた原発の「安全神話」は完全に崩れたとし、クリーンエネルギーによる新たなエネルギー政策を強めていくことを求めました。