2011年4月15日(金)「しんぶん赤旗」
汚染水放出
海洋影響調査 早急に
参院委で市田氏 環境相「検討」
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日本共産党の市田忠義議員は14日の参院環境委員会で、東京電力による福島原発からの放射能汚染水放出問題を取り上げ、海洋生物や海洋環境へのモニタリング体制を早急に確立するよう求めました。
市田氏は、文科省や水産庁の調査は海水採取や魚等の検査に限定されており、プランクトンや海藻、海底生物への影響調査が実施されていないと指摘。国内外の研究者・研究機関も海底の泥や微生物などを含めた調査・監視の重要性を指摘していることをあげ、「原発事故の危機回避に力を集中することは当然だが、だからといって環境への負荷や人への影響についての調査と対策を後回しにしてはならない」と強調しました。
松本龍環境相は「大変重要な指摘だ。環境省として検討したい」と答弁。市田氏が「国内の研究者の英知を結集し、モニタリング手法と体制を検討して、情報をわかりやすく発信することが必要だ」と迫ると松本環境相は「さまざまな疑問を払拭(しょく)する手だてをとりたい」と述べました。
市田氏は、諸外国では放射能汚染防止を環境省や環境保護庁などが所管しているとして「放射能による影響は最大の環境汚染であり、人の健康、環境を守ることは環境省こそが責任を持つべき」だと強調。松本環境相は「ご指摘を深く受けとめ、努力していきたい」と答えました。