2011年4月14日(木)「しんぶん赤旗」
東電天下り「調査し報告」
官房長官 エネルギー政策歪めた疑義
塩川議員に答弁
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東京電力の副社長が経済産業省幹部の「天下り」の“指定席”になっている問題で、枝野幸男官房長官は13日、「指定ポストといわざるをえない」「原発、原子力の安全という問題については、指導・監督する側と、受ける側にいささかの癒着もあってはならない」とのべ、政府として調査し、報告する考えを表明しました。衆院内閣委員会で日本共産党の塩川鉄也議員の追及に答えたもの。
塩川氏は、官僚時代に「原子力行政のまとめ役」といわれた石原武夫元通産事務次官が1962年に天下りしてから、ことし1月に顧問として天下りした石田徹前資源エネルギー庁長官まで、エネ庁の長官、次長が、東電に天下りし、顧問↓常務↓副社長となっていることを指摘。「これを世間では、指定席というのではないか」とただしました。
枝野官房長官は、「おっしゃるとおり」とのべ、指定席であることを認め、「今回のような(原発)事故が発生し、広く疑義が持たれるのは当然だ。東電と石田氏は、しっかりと、この事態を受け止めていただきたい」とのべました。
塩川氏は、石田氏が長官時代の昨年6月、「14基以上の原発の新増設」などの「エネルギー基本計画」をとりまとめた中心人物であることにふれ、「電力業界の要求にこたえた人物が、原発推進政策という手土産を持って天下る。これが、日本のエネルギー政策を歪(ゆが)めてきたのではないか」と追及しました。
枝野官房長官は、「ゆがめてきたであろうという疑義を国民に持たれている」と事実上、認めざるをえませんでした。