2011年4月14日(木)「しんぶん赤旗」
原発汚染水
海洋排出は条約違反
衆院委で吉井議員 “不適切”と官房長官
|
日本共産党の吉井英勝議員は13日の衆院内閣委員会で、福島第1原発事故で東京電力が、「低レベル」放射性物質の汚染水を海に排出したのは、原子炉規制法とともに、高・中・低レベルの放射性物質による海洋汚染防止を定めたロンドン条約にも違反していると追及しました。枝野幸男官房長官は、汚染水の拡散防止を怠ったことは「適切な対応ではなかった」と答弁。今後、同じことが行われないよう「見直しをさせている」と答えました。
枝野長官が「やむをえない措置」だと開き直ったのに対し、吉井氏は、放射性物質の「核種(放射性元素の種類)」や濃度さえ公開されていないと批判。「低レベルであっても、長期にわたって生物に被害を及ぼすものがある。簡単に捨ててはならない」と強調しました。
さらに吉井氏は、1998年度から今年度まで8248億円を投じている情報収集衛星(スパイ衛星)の撮影画像が公開されておらず、捜索・救命活動や原発事故現場の解析にも役立っていないと批判。放射能汚染にさらされながら活動している消防隊員らや、原子力関係の学者や研究者にも公開して、「いろんな知恵を結集すべきだ」と求めました。
枝野長官は、情報収集衛星は「安全保障上の観点から、具体的な能力、運用は答えられない」としながらも、「最大限に活用するよう指導する」と答弁しました。