2011年4月13日(水)「しんぶん赤旗」

浸水被害の診療所再開

全国災対連、清掃に協力 「助かります」

岩手・大船渡


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(写真)復旧した越喜来診療所の待合室で診察を待つ人たち=11日、岩手県大船渡市

 東日本大震災で浸水被害を受けていた岩手県大船渡市の国民健康保険越喜来(おきらい)診療所が11日、清掃を終えた元の施設で診療を再開しました。

 全労連など労働組合と民主団体でつくる全国災対連のボランティアが前日の10日、施設から泥のかきだし、いすやベッドの水洗いなど清掃に協力しました。

 リアス式海岸の複数の入り江に集落がある大船渡市では、地域の医療機関がなくなれば、峠を越えて病院に行かなければならず、越喜来診療所の職員は仮設診療所に泊まり込んで医療活動を続けていました。

 診察時間の30分前には、10人以上が待合室に並びました。ストーブにあたっていた男性(62)は「家を流され、避難所生活です。車も2台流されました。診療所が復旧してよかった」と語りました。

 女性(90)は「高血圧で定期的に診察を受けています。職員やボランティアのおかげで、早く再開されて助かります」と話しました。

 「施設を復旧でき、職員の負担も軽減できます」という診療所の佐々木道夫所長は「高血圧など慢性疾患は、継続的な医療が必要です。地域医療は、水道や電気と同様に“ライフライン”です。この地域に診療所はここしかないため、再開は喜ばれています」と話しました。 (田代正則)





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