2011年4月13日(水)「しんぶん赤旗」
震災後初の地区委員会総会 宮城・東部地区
被災者・党員の悲しみ胸に 命守る活動の先頭へ
党員9人が犠牲 2人が行方不明
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東日本大震災で死者だけで2600人(11日現在)の被害を出した宮城県石巻市。壊滅的被害が集中した地域に責任をもつ党東部地区委員会の事務所も津波で大きな被害を受けました。9日、近くに借りた仮の事務所で、震災後初めての地区委員会総会を開き、家族を亡くし、家を流失した地区委員も参加し、一人ひとりが必死に取り組んできた被災者救援の活動を交流し、救援活動の強化と、党らしいあたたかい絆のネットワークの再生に向け踏み出しました。
同地区では、震災当日に事務所で当番をし、家族が心配で家に戻って亡くなった地区役員をはじめ党員9人が犠牲になり、2人が行方不明のままです。
東松島市で家が流された地区委員の女性は、仙台市の母親と弟夫婦が津波で亡くなりながら、会議に参加。「みんなと会うのが楽しみでした」と声を詰まらせ、自ら「行方不明者」だった体験を語りました。
気仙沼の党員は、市委員会事務所が屋根下まで浸水しましたが、骨組みは大丈夫で、3月末に緊急の党員決起集会を開き、「全国決起集会」の報告を読み合わせ、岩手の両磐地区の支援を受けて活動を再開していると話しました。
支部の党員の土葬を済ませた女川の高野博町議は、「自分の家が流されたことよりも、何十年もかけて読者、支援者になってもらった大事な人たちを亡くしてしまったことのほうが…」と無念さを語り、ひたすら住民の要望を聞き、「被災者のための支援制度の手引き」400部を配布している活動を報告しました。
石巻市の水沢冨士江市議は、自宅に避難者2人を引き受け、救援物資を「お届け隊」として被災者に届け、「こんな狭いところに来るのは共産党だけ」と感謝されるなど、こんなにやりがいのある活動はないと語りました。
女川町の阿部律子町議は「こんなときには何ができるか」と考え、町の対策本部の情報を読みやすいニュースにして届けているとのべました。
多くの「赤旗」読者を亡くしたり、配達が途切れたりするなかで、「配達の体制を整えたいと読者に連絡したら3人が応えてくれた。再購読をお願いしている」などの努力も明らかになりました。
会議では全員が発言し、被災党員の悲しみを共有し、住民の命を守る活動の先頭に立つ思いを率直に出し合い、被災地の党として気持ちを一つにしました。
総会では、中島康博県委員長が激励のあいさつをし、三浦一敏地区委員長が、党の救援活動や自治体首長への義援金届けについて報告しました。 (浜中 敏)
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