2011年4月13日(水)「しんぶん赤旗」
がれき 被災者撤去分も国費
大門議員に政府回答
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日本共産党の大門実紀史議員は12日の参院財政金融委員会で、東日本大震災被災地のがれき撤去事業について、すでに自前で撤去したものも含めて国の負担で各自治体が行うことを「早急に周知徹底せよ」と求めました。
大門氏は被災地調査を踏まえ、「がれき撤去は国負担でおこなうことになっているが、撤去作業が遅れているため、自分で撤去した被災者に国が負担してくれないのではという不安が広がっている」と報告。「国が負担するという枠組みであることを周知徹底して早くがれきを撤去しないと、復興のスタートがきれない」と指摘しました。
野田佳彦財務相は、「指摘を踏まえてきちんと対応する。阪神・淡路大震災の時も被災者自身が業者を選び撤去し、事後的に(国が)対応したことがある。災害廃棄物処理の実施要項を環境省が決めれば、財務省が文句を言うことはありえない」と表明。すでに自前で撤去したものも含めて国負担でがれき撤去事業を行うことを明言しました。
船と車も100%
政府が、東日本大震災に遭い被災地に滞留する船と車を自治体が撤去した場合、その費用を100%国の負担とする措置をとっていることが、12日までに分かりました。日本共産党の大門実紀史参院議員が環境省などに求めていたものです。環境省は内容を「Q&A」形式の文書で被災地の県と政令市の廃棄物主管部あてに通知しています。
今回の震災では、津波で多数の船が陸に打ち上げられました。被災した自動車も宮城県だけでも14万台にのぼるとみられています。船と車の撤去費用については、これまで個人または自治体が負担しなければならず、撤去が進まない要因になっていました。
政府は先に、撤去の仕方についての指針で、使用不能とみなされる自動車や船舶は、仮置き場に移動させた後、所有者に連絡するよう努め、所有者が引き渡しを求めるものは引き渡すよう自治体に求めています。
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