2011年4月12日(火)「しんぶん赤旗」
がれき撤去作業
感染予防の対策を
国立感染症研究所
国立感染症研究所はがれき撤去などの作業時における感染予防の対策を呼びかけています。その主なポイントは次の通り。
▼けが防止のため素肌を出さない、すその広がらない服装(長袖、長ズボン)、丈夫な手袋、長靴、安全靴で身を守る。
▼農・山林・土木作業の際は、ダニなどの節足動物に刺されないようとくに肌を露出しない。虫よけスプレーの使用、可能なら作業後の入浴、衣類の洗濯等も考慮する。
▼作業中に舞い上がったほこりや飛び散った水等が直接口に入らないようマスクをきちんと使う。汚れた手で目や口を直接触らない。
▼けがをした場合、傷口を清潔な水でよく洗い流し、ばんそうこうなどで保護する。傷が深い場合や、とげが残ったり、傷に泥などが入り込んだときは速やかに診療を受ける。
▼多くの人が素手でふれるドアノブやスイッチなどを、手袋をはめたままで触らない。
▼作業が終わったら手袋などをはずし、せっけんと流水でよく手を洗う。手洗いの水がないときはウエットティッシュでよく汚れを落とし、速乾性のアルコール製消毒剤を使う。
ツツガムシ病に注意
同研究所は破傷風やツツガムシ病への注意も喚起しています。破傷風の潜伏期間は3日から10日ないし2週間、長いと1カ月の場合も。口が開きにくくなる、嚥下(えんげ)困難、呼吸困難などの症状が出て、適切な治療がおこなわれないと命にかかわります。小さなけがも軽視しないことが大切です。
ツツガムシ病は被災地の東北地方では、従来から春に患者が多く報告される感染症です。ダニの一種ツツガムシに刺され、5〜14日後に発病します。熱、発しん、刺し口が特徴ですが、これらの症状がそろわない場合も。
テトラサイクリン系の抗菌薬がよく効きますが、治療が遅れると重症化して死亡する場合もあります。