2011年4月12日(火)「しんぶん赤旗」
きょうの潮流
2011年いっせい地方選。前半の道府県議選で当選した日本共産党の候補80人のうち、元議員が10人を占めました▼4年間、あるいは8年間、府政・県政の心臓部で発言する場を失い、どんなに歯がゆかったでしょう。群馬の伊藤祐司さん、福井の佐藤正雄さん、熊本の松岡徹さんは、党の議席の空白を埋めました▼徳島の阿南選挙区で返り咲いた達田良子さんは、ある有権者の憤りを聞き、寄せられる期待を実感しました。「自民も民主もむちゃくちゃや」。4議席を6人で争う選挙で、達田さん以外は自民・自民系、民主・民主系の候補でした▼「南海地震で津波が来たら、どこへ逃げたらええんじゃ」と、震災対策の遅れを案じる海辺の住民。「達田さんは共産党ですか?」と、わざわざこっそり確かめにくる人がいました。「だったら入れます。原発のこといっているのは共産党だけ」というわけです▼“TPP(環太平洋連携協定)参加に反対”と訴えると、田植えや特産ニンジン収穫の手を休めて聞く人たち。「農政をどうするか、ほかの誰も語ってくれない」と、農家の一人。達田さんの心に強く残る、有権者の言葉があります。「共産党のいうことがすぐ実現せんでも、いうべきことはいい続けることが大事。そうせんと、わしらの声が政治に届かん」▼「自民も民主もむちゃくちゃ」と思い、橋下知事の大阪維新の会や東京の石原知事に投票した人も多かったのではないでしょうか。政治の変わり目のいっせい地方選、さあ後半へ。