2011年4月11日(月)「しんぶん赤旗」

東日本大震災1カ月

被災地 続く苦闘

生活再建へ支援急務


 国内観測史上最大のマグニチュード(M)9・0を記録、未曽有の大災害となった東日本大震災発生(3月11日)から1カ月を迎えました。最大震度7という巨大地震による大津波は、東北を中心とした沿岸部に破壊的打撃をもたらし、10日午後7時現在の死者・行方不明は合わせて2万7621人にのぼり、犠牲者の全容はいまだにつかめないままです。さらに放射性物質放出という原発の重大事故が追い打ちをかけています。被災地では、いまだに満足な食事すらとれない極限状態の被災者も多く、生活再建のめどがたたない状況です。同時に被災地は、困難ななかでも生きぬくために立ち上がり、復興へ向かおうという切実な思いに満ちています。

 避難所暮らしを強いられている被災者はピーク時の約50万人から減ったとはいえ、いまだに15万人を超えています。避難者の多くは津波で家も家財道具も根こそぎ奪われました。食事や医療、プライバシー、ストレスの問題など、長期化する避難所での生活改善は、命にかかわる緊急の課題です。

 「車を流されて買い物にもいけず、カップめんばかり食べている」(家族6人で暮らす男性)。在宅の被災者も悲惨な状況です。救援物資が届かないなど、支援の手からもれた地域が少なくありません。

 ガスや水道などのライフラインがいまなお復旧していない地域も多く、M5以上の余震が約400回にのぼり、復旧をさらに遅らせています。

 仮設住宅の建設、膨大ながれきの処理、医療や福祉体制の整備、行方不明者の捜索や遺体の埋葬など課題は山積しています。

 農林漁業をはじめ地場産業が基盤から深刻な打撃を受けた中で、産業復興と雇用の維持・創出の願いは切実です。財産も仕事も失った中で、生活再建のための諸制度を充実させるなど緊急の支援が必要です。

 東京電力福島第1原発の事故は収束方向が見えません。日本共産党や住民団体の警告にもかかわらず、「安全神話」で地震や津波対策を怠った東電と国の責任は重大です。一刻も早い事態収拾と、集団避難を余儀なくされた住民や、大打撃をこうむった農民、漁民、中小商工業者らへの全面的な補償と賠償も東電と国の責任で行う必要があります。

 日本共産党は、志位和夫委員長、現地対策本部長の高橋ちづ子衆院議員ら国会議員や地元議員が被災地の現地調査を行い、被害の実態把握と被災者の要望を聞く活動に取り組んできました。

 また、全国で救援募金活動を行い、寄せられた募金を被災地の関係自治体などに届けました。

 菅直人首相に対して個人補償の引き上げや復興財源を具体的に提起したのをはじめ、国会で被災者救援のために奮闘しています。

 全国からの支援を受けて必死に立ち上がろうとしている被災地に、政治が総力をあげてこたえることが求められています。(森近茂樹)





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