2011年4月9日(土)「しんぶん赤旗」
医療機関の被災状況は
宮城県保険医協会 訪問し支援
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東日本大震災が発生してからこの間、宮城県保険医協会は全国保険医団体連合会と大阪府保険医協会の支援を受け、連日、宮城県内の診療所など医療機関をまわり被災状況の確認と支援のために訪問活動を行っています。8日は、前日深夜に発生した地震を受け、被害状況の把握と、要望の調査のため宮城県涌谷町の会員医療機関などを訪ねました。
宮城県涌谷町は、津波で甚大な被害が出た同県石巻市の北西に位置しています。涌谷町で同協会の会員が院長を務める医療機関では、石巻市で被災し利用していた医療機関を失った入院患者の受け入れも行っています。「一度は復旧した水、ガス、電気が昨夜の地震でまただめになった」と院長は話します。痰(たん)の吸引機など必要な医療機器が停電で使用できない状態です。「停電のために近くのガソリンスタンドが閉店している。スタッフの通勤が不可能になり人手不足に陥るかもしれない。薬の入手も困難になる可能性がある」と語り、「とにかくライフラインの復旧を急いでほしい」と訴えました。
同協会の野地俊一事務局長は、東日本大震災は住民の命を守る医療機関に大きな被害を与えていると指摘。「カルテの流失や、施設の損壊、スタッフの被災など被害ははかり知れない。被災者を支援するために、医療体制を再建する条件整備が不可欠だ」と話します。
同協会は震災発生からこの間、政府に申し入れを重ね、東日本大震災によって診療不能になっている民間医療機関への公的な援助などを求めています。(秋山豊)
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