2011年4月9日(土)「しんぶん赤旗」

地震当日に水位急減

福島1号機 18時間後“空だき”に


 東日本大震災で深刻な状況が続いている東京電力福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)の1号機で、地震発生当日の夜、原子炉圧力容器内の水位が急激に減少し、地震発生から18時間後には“空だき”状態になっていたことが8日、わかりました。東電が同日、地震が発生した3月11日の午後7時半以降の、1〜3号機の原子炉内の状態を示すデータを初めて公表して明らかになりました。

 公表したデータは、地震発生から7時間近く後の午後9時半以降のもので、この時点で1号機の圧力容器内の水位は核燃料棒の頂部から45センチ上の高さまでしかありませんでした。通常運転時より、1メートル程度低い状態だといいます。

 2、3号機では同時刻、核燃料棒の頂部から3〜4メートル上まで水位が保たれていました。東電は、1号機でも非常用復水器で圧力容器内に水が供給されており、通常時以上の水位を保つことが期待されていたとしています。

 その後、水位は翌12日の午前0時半に核燃料棒の頂部から1・3メートル上まで回復したものの、同6時47分ごろから再び急速に低下。地震発生から約18時間後の同8時49分には核燃料棒の一部がむき出しになり、“空だき”状態となっていました。同日午後0時35分には約4・5メートルある核燃料棒の頂部から1・7メートル下まで水から露出していました。

 東電は、地震当日の夜に水位が急減したことについて「朝まで、それなりに水位を保っており、安定していたとみている」と説明しています。

 しかし、1号機では、12日午後3時すぎに水素爆発が発生し、原子炉建屋の上部が大破しました。空だき状態となって核燃料棒の被覆管と水が反応し水素が発生したためとみられています。

 東電は、公表データについて、中央制御室で電気が使えるようになったことから、読み取ることができるようになったと説明。一方、地震が発生した3月11日午後2時44分から、今回公表した同7時30分までのデータは読み取れていないとしています。





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