2011年4月8日(金)「しんぶん赤旗」

再生可能エネによる発電 ドイツで約17%に

昨年実績 20年までに30%以上めざす

年間3万人雇用増、CO2 1億2000万トン減


 ドイツで地球温暖化対策の一つとして注目されている再生可能エネルギーによる発電量が昨年、総発電量の16・8%に達し、熱なども含めたエネルギー供給量では、前年に比べ9・2%増加したことが明らかになりました。 (片岡正明)


 ドイツ環境省が3月16日に発表したところによると、2010年の再生可能エネルギーの発電量は1017億キロワット時、暖房用の給湯などを含む総エネルギー量で2754億キロワット時相当です。ドイツは2010年までに再生可能エネルギーを総発電量の12・5%にするという目標を07年に達成。20年までに30%以上にする計画です。

 同省は、風力や太陽光、水力、バイオマスなどの再生可能エネルギー発電で、年間1億2000万トンのCO2が削減され、昨年より3万人多い37万人の雇用につながったとしています。

 同省によると、再生エネルギーの中では、太陽光発電の伸びがもっとも大きく81・8%増の120億キロワット時。続いて地熱発電が14・3%増の56億キロワット時、太陽熱が10・6%増の52億キロワット時、水力が3・1%増の197億キロワット時となっています。再生エネルギー中もっとも発電量の多いバイオマスは10・2%増の1964億キロワット時でした。

 一方、風力発電は、気象条件の悪化が原因で5・4%減の365億キロワット時でした。

 ドイツでは、00年に施行された再生可能エネルギー法で電力会社に再生可能エネルギー電力の買い取りを義務付け、普及に大きな役割を果たしています。

 総発電量に占める再生可能エネルギーの割合は00年に6・4%だったものが、05年に10%を超えました。

 レトゲン環境相は、福島原発事故後に高まる脱原発の世論と運動に押されて、環境政党、90年連合・緑の党も含めた野党とも一致できるエネルギー転換政策を作ると表明しています。

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