2011年4月8日(金)「しんぶん赤旗」

どうする原発、復興財源

共産党の提言 “だから共感”


 戦後未曽有の大震災と、国内最悪の原発事故のもとでの選挙となったいっせい地方選。日本共産党は、当面する救援と原発事故の危機収束に全力をあげるとともに、財源を含めて震災からの復興をどうするのか、原発・エネルギー政策をどう転換するのか、真剣な訴えを続け、有権者の共感を広げています。

原発頼みをやめ自然エネルギーに

“将来見すえた現実策”

 「いま多くの国民が『原発は怖い』と肌身で感じておられると思います。同時に『エネルギーをどうしたらいいか』というご心配もあるでしょう。福島原発危機の収束のために国の総力をあげながら、原発政策はこれまでのままでいいのかを、いま大もとから問い直すべきときです」

 日本共産党の志位和夫委員長の訴えに、共感の声が広がります。千葉県船橋市でじっと聞いていた千葉県内の私立大生(21)は「原発事故を受けて日本がどうするか世界から見られていると思う。他の党は原発問題を語らないけど共産党の話には納得です」と語ります。

 「安全神話」を一掃し、原発の総点検、無謀な新増設の中止、東海地震想定域の浜岡原発の永久停止、危険なプルトニウムを燃やす核燃料サイクルの中止――日本共産党の「安全最優先の原子力行政への転換」はどこでも共感を呼んでいます。

 関西では、原発事故の最中に関西電力が「安全神話」をふりまくビラを配布。日本共産党の演説を聞いていた関電の元社員の男性(66)は「福島原発は予断を許さず、志位さんが言っていたように、すべての英知を結集して困難に立ち向かうときだと思います。原発事故のさなかに、関電が『安全神話』をふりまくビラを出したことは許せない。原発は一から見直す必要があり、国民的議論が必要だと思います」と語ります。

 自然エネルギーへの戦略的転換で原発頼みから脱却する――自然エネルギーがすでに全体の16%を占めているドイツの例を示した共産党の演説に納得が広がります。

 宇都宮市内で日本共産党の市田忠義書記局長の演説を聞いていた男性は、「日本の技術なら原子力からクリーンエネルギーへの転換はできると思う。今その政治的決断が問われている。共産党の提言は現実的だし、将来を見すえている」と評価。京都市内では、保育士の女性(22)が「原発をなくすといっても、できるのかなと思っていたけど、自然エネルギーなど方法があるとわかった」と語りました。

 これに対し、原発建設を推進してきた民主・自民・公明の各党はどうか。マスメディアからも「『争点隠し』ともいえる煮え切らない態度」(「朝日」2日付)、「原発問題『民・自』歯切れ悪く」(「毎日」6日付)と書かれるなど、これまでの態度に反省も示さず“だんまり”作戦。「大阪維新の会」「減税日本」など地域新党はそもそも語るべき政策がありません。そんななか、「原発と共存しなかったら、とてもでないが、産業も経済も壊れてしまう」(自民党の福井県議候補)などと本音をもらす候補もいます。

大企業内部留保を復興財源に活用

“歓迎だ”“ぜひ実現を”

 「法人税減税や米軍への『思いやり予算』をやめて復興予算に充てる提案は素晴らしい。ぜひ実現を」(広島・福山市で55歳女性)、「政党助成金を廃止し、大企業に買ってもらう『震災復興国債』も実現してほしい」(京都市の56歳女性)

 大企業・大資産家への減税中止やムダを削って5兆円、さらには「復興国債」を発行して、244兆円もの内部留保を抱える大企業に引き受けてもらう――日本共産党の復興財源の提案は「そのとおり」との反応を広げています。

 他党はどうか。民主党は復興財源として「特別消費税」や所得税の増税(社会連帯税)、悪性インフレを招くと批判が強い日本銀行引き受けの「震災国債」を提案。一方で、「思いやり予算」や巨大港湾整備などのムダはそのままです。

 自民、公明は、「不要不急、バラマキと批判してきたものは(復興)財源として手当てを」(自民党・谷垣禎一総裁)などとして、子ども手当や農家への戸別補償、高校授業料無償化などを削れと国民負担増を迫ります。共産党以外の各党は、政党助成金も返上せず、そのまま受け取ろうとしています。

 一般紙の投書でも、「未曽有の国家、国民の最大の危機において、半年間歳費の3割の削減のみで済ますのはいかがなものか。共産党は年間総額約320億円の政党助成金も返上すべきだと主張している。同感だ。…この国を立て直す責務を持つ議員の中途半端な行動にはどうにも納得ができない」(「朝日」5日付)などの声も寄せられています。

危険告発 道理で動かす

 原発問題では、日本共産党の提言が実際に政治を動かす力を発揮しています。

 2030年までに「14基以上」とした政府の原発新増設計画について、日本共産党の志位和夫委員長は3月31日の菅直人首相との党首会談で「きっぱり中止すべきだ」と要求。菅首相が「白紙というか、見直しも含めて検討したい」と応じたことが、内外のメディアで大きく報じられました。

 強力な権限をもった規制機関がないことが「安全神話」の根底にある――日本共産党は三十数年前からこう主張し、推進機関と規制機関を分離し、政府から独立した強力な権限をもった規制機関の創設を求めてきました。この点でも、「毎日」6日付は、「保安院分離へ 経産省と一線 安全委と統合」として、経産省のもとにある原子力安全・保安院と内閣府の原子力安全委員会を統合し、規制機関として強化する案を、政府内で検討していると報じました。

 巨大地震と津波によって、全電源が喪失し、炉心溶融を招く――2005年からこの危険性を警告してきたのは、日本共産党の吉井英勝衆院議員でした。6日の衆院経済産業委員会では、「いかなる場合にも今回のような事態を起こさせないのが、原子力行政の使命ではないか」との吉井氏の追及に、班目(まだらめ)春樹・原子力安全委員長は「おっしゃるとおりだ」と認めました。





■関連キーワード

もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp