2011年4月8日(金)「しんぶん赤旗」
福島第1原発1号機
官邸HP書き換え 蒸気排出開始 4時間早く
政府が、東日本大震災翌日の12日に福島第1原発1号機の炉内の圧力を下げるために行った「ベント」(蒸気排出)の開始時刻の公開記録について、同日午後2時半から同午前10時17分へと何の説明もなく変更していたことが7日までに明らかになりました。
公開記録は官邸ホームページに掲載されており、4時間も開始時刻を早める書き換えは3月27日午後2時30分から行われました。翌日の28日は、震災後初めて首相への質問が行われる予定でした。
排出には二つの弁を開く必要があり、作業は午前9時4分開始。10時17分に二つ目の弁の開放に着手しましたが、不具合で開放しなかったため、代替用の空気圧縮機の調達に4時間を費やし、排出が行われたのは午後2時半でした。原子力安全・保安院はこれまで午後2時半を「ベント開始」、午前10時17分は「ベント操作」と発表していました。
今回の変更について保安院は「10時17分の操作によって一定の効果が出たと考えられると東電と政府、保安院で認識が一致したので変更したものだ」と説明。官邸の公開記録がベント「操作」でなく「開始」となっている点は、「表現の違い」としています。
保安院もすでに公開記録からは「午後2時半ベント開始」を削除し、3月24日からは「10時17分ベント操作」とだけ発表するようになっています。
政府は12日午前1時半、東電にベントを指示しましたが、東電が政府にベント実施を通報したのは午前8時半と大幅に遅れ、水素爆発を起こしました。午前6時すぎに首相が現地視察にヘリで出発したためではないかと指摘されています。
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