2011年4月8日(金)「しんぶん赤旗」
福島第1原発1号機、窒素を注入
2・3号機も準備 水素爆発防止へ
東京電力は7日、福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)1号機原子炉格納容器への窒素注入を開始したと発表しました。格納容器内で水素爆発が起きるのを防ぐのが目的です。
東電によると、事故直後に格納容器内で測定された放射線量から推定した1号機の核燃料棒の損傷割合は70%。損傷した核燃料棒から出る放射線によって原子炉圧力容器に注水されている水が分解して格納容器内に水素と酸素がたまり、爆発する危険性が指摘されています。窒素注入で、格納容器内の水素と酸素の割合を減らします。
東電は開始時から格納容器内の圧力が100キロパスカル(約1気圧)上昇するまで、6日程度かけて窒素ガス約6000立方メートルを注入する計画で、7日午前1時半すぎから注入を開始。格納容器内の圧力の上昇が当初の予想より速いことから、東電は格納容器内に水がたまっているとみています。
2、3号機でも核燃料棒の損傷は、それぞれ30%と25%と推定されており、東電は、格納容器内への窒素注入を行うとしています。
窒素注入で格納容器内の高濃度放射能を含む気体が外部に漏れる恐れがありますが、午前9時までに敷地内の放射線量の上昇はみられないといいます。
一方、2号機取水口付近のコンクリート製の穴(ピット)周辺の亀裂からの高濃度放射能汚染水の流出は止まりましたが、汚染水が通ってきたとみられる地下の海水配管トンネルと地上をつなぐ立て坑の水位が上昇。午前7時に地表の下99センチとなったといいます。
流出が止まった後の、6日午前7時40分にピットの下で採取した海水に含まれる放射性ヨウ素131は1立方センチ当たり5600ベクレルで、国の濃度限度の14万倍でした。
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