2011年4月7日(木)「しんぶん赤旗」
国は未曽有の困難・窮乏に見合った対応を
学術会議が緊急提言
被災者救援と被災地域復興へ
日本学術会議(金沢一郎会長)は5日、東日本大震災の被災者救援と被災地域復興のための第3次緊急提言を発表しました。
提言は、大震災と福島第1原発の事故によって「被災地域住民の困難と窮乏は、日本の近代史において未曽有のもの」であり、「国のとるべき対応は、そのレベルに見合うものでなければならない」と強調。提言内容は(1)被災者救援と被災地域復興のための総合的な体制をつくる、(2)被災者の救援を迅速に全面的に行う、(3)被災地域の復興に向けての取り組み、(4)福島第1原発事故による避難者の救援と事故への対応の各項目。
急を要し、かつ内容が多岐にわたる被災者の救援の問題では、政策課題全体の中に被災者救援を適切に位置づけることや、被災者の権利を守るために「東日本大震災救援・復興特別措置法」「復興基本法」の早期制定を求めています。
また、被災者の健康・生活の保護を最優先して、当面必要な資金を緊急に用意して無条件で支給する措置をとることなどを国に求めているほか、被災地域の復興に向け、土地整備、仮設住宅の確保、雇用確保、教育の復興などについても提案。
原発事故による避難者の救援で、国などが避難に際して高齢者や障害者などへのケア、安全な避難先の確保・提供、避難先での生活と雇用や子どもの教育への必要な援助を行うこと、放射性物質の汚染による損害に対して早急に補償すること、さらに全国の原子力発電所の総点検を行い、基準に満たない原発の稼働を止めるなどの方策をすぐに進めることなどを求めています。