2011年4月5日(火)「しんぶん赤旗」
地デジ移行延期の可能性
被災地で準備に遅れも
東日本大震災を受け、7月の地上デジタル放送完全移行に延期の可能性が出てきました。被災地では地デジ用にテレビを買い替える余裕がない世帯も多く、準備の遅れが懸念されています。総務省は被災地の現状を把握し、全国一斉の移行が可能か見極める方針です。
昨年末の同省の調査によると、東北地方での地デジ対応受信機の普及率は全国平均より2・2ポイント低い92・7%でした。
同省は低所得者を対象に、地デジを視聴可能にするチューナーを無償配布していますが、被災地の一部で業務が停滞しています。難視聴地域でのアンテナ工事の遅れを指摘する声もあります。
片山善博総務相は「まず調査が必要だ。今どういう状況にあるのか見極めたい」と説明。週内にも自治体やテレビ局などの聞き取り調査の結果をまとめ、被災地での移行延期の是非を検討する方針です。