2011年4月2日(土)「しんぶん赤旗」
リビア 民間人40人死亡
NATO空爆に懸念
カトリック教会幹部
【カイロ=伴安弘】リビアの首都トリポリにあるローマ・カトリック教会のジョバンニ・インノチェンツォ・マルティネッリ司教代理は3月31日、「いわゆる人道的空爆によって数十人の民間人の命が奪われている」と述べ、北大西洋条約機構(NATO)軍によるリビア空爆に懸念を表明しました。
“外交的解決を”
バチカンのフィデス通信によると、同司教代理は「信頼できる人々からの目撃証言」だとして、トリポリのブスリム地区で建物が爆撃によって崩壊し、40人が死亡したと語りました。
前日の30日には、ミスダ地区で弾薬を積載したトラックが空爆で爆発し、病院に被害が及んだと述べました。病院関係者によると、この空爆で13人が負傷しています。
同司教代理は、反政府勢力が軍事的に袋小路に追い込まれていると指摘。「リビア人同士の流血の対立を終わらせるためには外交的解決がベストだ」と強調しました。
また、カダフィ政権のクーサ外相が辞任したことについて、「彼は政権の中枢の一人」であり、「国連をめぐる(政権内の)路線の対立によるものだ」との見方を示しました。
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