2011年4月2日(土)「しんぶん赤旗」
きょうの潮流
水道水やペットボトルの水。ガソリン。お米やパン。毛布。いずれも、大震災の被災地に欠かせません▼しかし、どれも消費税がかかります。ガソリンの場合、揮発油税が課せられるうえに消費税です。消費税をなくす全国の会が発行した小冊子、『いっしょに考えましょう 消費税のこと』が告発しています。「消費税はいかなる災害のもとでも、いっさいの減免のない苛酷な税金です」▼消費税は、地域を選びません。着の身着のまま避難した人々が、日々の暮らしを立て直してゆくにも、住宅や事業を再建するにも、ほかの地域と同じように消費税を負担させられるしくみです▼だから、震災からの復興の財源づくりに消費税を増税する、などという話がでてくるとは考えにくい。消費税を増税すれば、震災の影響が心配な全国の景気の落ち込みにも拍車をかけます。ところが、民主党内で復興対策案に、その“まさか”の案が浮上してきました▼生活と営業を壊す消費税増税に頼らなくても、財源はあります。日本共産党が提案した法人税減税の中止は、菅首相が「見直しを含めて検討したい」と語るところまできました。首相は、大企業の内部留保の活用については「研究させてもらう」と語っています▼いまは、被災地と被災者に負担をかけずにどうやって復興財源を見いだすか、立場や考えの違いを超えて知恵を出し合うときではないでしょうか。きのう4月1日は、1989年にわが国に消費税が導入されてから22年目の日でした。