2011年4月1日(金)「しんぶん赤旗」
侵略美化教科書 採択に反対を
日韓41団体が訴え
子どもと教科書全国ネット21など日本と韓国の41の市民団体・労組は30日、侵略戦争を美化する立場の歴史教科書が2種類合格したことを受けて、この教科書の採択に反対する運動を呼びかける共同アピールを発表しました。
記者会見した教科書ネットの俵義文事務局長は、自由社と育鵬社の教科書について、反戦平和や護憲、核兵器廃絶や差別撤廃、環境保護など中学生が当たり前に学ぶ内容を「特定の政治勢力の見解に加担する」「毒」として取り上げない「特異な教科書」だと指摘。教科書を出版した団体の会報や機関紙などで「韓国併合は日本の誇りであり、韓国は感謝すべき」と主張するなど、「歴史の事実をゆがめて侵略戦争を賛美することは現行と変わりない」とのべました。
韓国から来日した「アジアの平和と歴史教育連帯」常任共同代表のアン・ビョンウさんは、「侵略と市民の虐殺を美化したり隠蔽(いんぺい)した教科書が検定に合格したことは、日韓の友好ムードを損なうもので残念に思っている。文科省の責任は大きい。過去の植民地支配を直視し、事実を事実のとおりに記述することで東アジアが平和に発展することを望みたい」とのべました。