2011年4月1日(金)「しんぶん赤旗」
福島第1原発 4385倍ヨウ素検出
原子炉水流出 海水の汚染深刻化
東京電力福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)1〜4号機の放水口から南に330メートルの地点で30日午後に採取した海水から、国の定める濃度限度の4385倍の放射性ヨウ素(ヨウ素131)が検出されました。東電などが31日発表しました。これまでで最も高い値で、原子炉内の損傷した核燃料からの放射性物質を含む水の流出が深刻化していることを示しています。
東電によると、海水1立方センチ当たりヨウ素131が180ベクレル(濃度限度の4385倍)検出されたほか、セシウム134が同47ベクレル(同783・7倍)、セシウム137が同47ベクレル(同527・4倍)検出されました。同原発北側の5、6号機放水口付近では、30日午前の測定でヨウ素131が同57ベクレル(同1425倍)検出されました。
東電は、原子炉内から出ていることは間違いないと認めたうえで、どのような経路で海に流出しているかはわからないとしています。
東電は、1〜3号機のタービン建屋地下にある放射性物質を含むたまり水を排水する準備作業を続けています。たまり水を移そうとしているのは、発電タービンを回した蒸気を水に戻す「復水器」です。しかし、1〜3号機とも復水器が満水状態に近いため、31日には、復水器の水を別のタンクに移す作業が各号機で行われ、3号機は午前中に完了。1号機でも、午後から始まりました。
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