2011年3月30日(水)「しんぶん赤旗」
甘い想定放置の人災
大門議員指摘 首相「認識間違っていた」
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日本共産党の大門実紀史議員は29日、参院予算委員会で締めくくり総括質疑に立ち、「安全神話」に基づいた原子力行政の抜本的転換を主張しました。
大門氏の質問に海江田万里経済産業相は、福島第1原発の想定していた津波はわずか3・1メートルで、今回の津波は約4・5倍の14メートルだったことを明らかにしました。
大門氏は、「45年前の甘い『想定』が現在まで放置されてきた」と指摘。日本共産党福島県委員会や吉井英勝衆院議員、市民団体が、1960年のチリ地震級の津波がくれば原発の冷却機能が喪失する危険性を再三にわたって警告してきたにもかかわらず、東電と経済産業省、原子力安全・保安院が無視してきたことを示し、「今回の事故は『日本では重大事故は絶対に起きない』という『安全神話』にのっかかり安全対策を怠ってきた結果だ。『想定外』ではなく明確な人災だ」と批判しました。
菅直人首相は、「認識が結果として間違っていたことは否定しようがない。予測が低すぎて、原発建設以前のチリ地震の基準を満たしていないとすれば相当問題だ」と答弁。大門氏が、「原発推進、安全軽視の原子力行政そのものを抜本的に転換すべきだ」と迫ると、菅首相は「原因を含めしっかり検証する必要がある」と答えました。
大門氏は、震災復興財源について、経団連の米倉弘昌会長でさえ「法人税減税をやめていただいて結構だ」と発言していることをあげ、大企業向けの法人税減税や、大金持ちの株取引減税=証券優遇税制延長をきっぱりやめ、被災者支援にまわすべきだと主張。
菅首相は、「この問題も(見直し是非の)検討材料になる」と述べました。