2011年3月28日(月)「しんぶん赤旗」

被災企業、内定取り消し相次ぐ

岩手、宮城、福島の3県

従業員からも相談急増


 東日本大震災で被害を受けた岩手、宮城、福島各県の労働局に、被災企業から雇用計画の変更に関する相談が相次いでいます。既に福島労働局管内では、ホテルや旅館など十数社が高校生や大学生の内定を取り消しました。会社や工場、店舗が津波で丸ごと流失したケースも多いとみられ、雇いたくても雇えない状況にどう対応するかが被災地の大きな課題となっています。

 宮城労働局職業安定部には水産加工業や製造業からの相談が27件寄せられました。うち半数が「採用を延期したい」という内容で、対象者は計約200人に上ります。仙台市のハローワークでは新卒者対応の職員を昨秋から29人増員し、求人開拓に力を入れていましたが、担当者は「中小企業の求人も、今となってはどれだけ有効なものが残っているか」と話します。

 福島労働局で相次いだ内定取り消しは、直接的な震災の被害に加え、福島第1原発の放射能漏れ事故が背景にあるとみられます。同局は、内定者にできるだけの補償を行うよう企業を指導しているとしていますが、原発事故の影響が雇用面にさらに広がる恐れが懸念されています。

 宮城労働局によると、従業員側からの相談も700件を突破。26日に相談に来た旅行会社勤務の女性は3月末で契約を打ち切られると言い、「関東か関西で仕事を探す必要もありそう」と声を落としました。雇い止めのほか、「自宅待機に休業手当は出るのか」「給与が振り込まれていない」といった相談も多くあります。年度末を控え、退職金をめぐる相談も増えそうだといいます。同局は、被災者限定の求人票を避難所に提供することも検討しています。





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